細菌の食べ物

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virus_fukutsuu.jpg腸の細菌について書かれた「腸科学ー健康・長生き・ダイエットのための食事法ー」(ジェスティン・ソネンバーグ&エリカ・ソネンバーグ)を読んだ。人間の身体に存在する細菌群、「マイクロバイオータ」の役割と重要性について書かれている。

最近健康に関する本を無意識に手に取るようになったのも、爺へ一歩ずつ近づいている証左であろう。今年に入ってからずっとフィジカルとメンタルいずれも調子が悪い。精神面が弱っているので身体にきているのか、身体の調子が悪ので、精神面にきているのかは不明だ。


本書では、腸内細菌が身体に対して多様な影響を与えていることについて詳細に述べてあり、昨今増加している免疫系の異常についてもわかりやすく解説してある。アレルギーの症状が増えたのは、現代が清潔すぎる傾向にあるため多様性に富んだマイクロバイオータを持っていないことが原因という。

身体の免疫系は腸内細菌の動向を受けて作動していて、多少の異物(アレルゲン)には楽々対応できるようなマイクロバイオータであれば免疫系は作動しない。だがその多少の異物でマイクロバイオータが大騒ぎしてしまうと免疫系が「こりゃ大変」とばかりに身体の免疫反応を過剰に作動させてしまう、ということである。

そのマイクロバイオータをどのように良好に保てば良いのかが具体的に示されていて大変ためになった。初めて知ったが、病院で処方される「抗生物質」は悪性の細菌だけをターゲットにしているのではなく、体内の良性の細菌も一掃してしまう、ということである。一掃されたマイクロバイオータは元に状態に戻すことは現状ではなかなか難しいが、最新の治療では本人のマイクロバイオータを保存しておいて抗生物質の投薬後利用するという方法もあるという。

マイクロバイオータは人それぞれ異なっていて、薬の効き目やサプリメント、食べ物の影響が人それぞれ違うのはそのためだそうだ。腸内細菌の種類は生活習慣や生育環境に左右される。

一方で腸内細菌にとって良い食べ物や習慣は共通に存在し、本書では具体的なレシピも挙げてマイクロバイオータに良い食べ物が紹介されている。

自分も本書を読んで食物繊維やヨーグルト、発酵食品を意識的に食べだした。まだ3、4日目であるが良くなった実感はなく、むしろ調子が悪くなったような気がしなくもない。身体がこれまでそのような食生活に対応していないためだろうか。ジャンクフード大好きである。

「この腸内細菌が不足している」とわかれば食べ物やサプリによりピンポイントで追加できるのだが、自分の腸内がどうなっているのかがわからないのが難点ではある。